VBAの世界へ一歩踏み出す前に、WordやExcelなどOfficeアプリケーションの重要な機能である「マクロ」(Macro)について説明しておきましょう。既にマクロについてご存知の方にとっては繰り返しになるかもしれませんがご了承ください!
マクロとは?
マクロと聞いて、何やら難しいイメージ?を持たれたかもしれません。でも、そんなことはありません。マクロとは、操作手順を記録した「手順書」のことです。WordやExcelのようなアプリケーション上で行う一定の操作を手順として記録することによって、後で同じ操作を何回でも繰り返し行うことができるのです。つまり、マクロとは操作を「自動化」して楽をするための機能(ちょっと違うか?)なのです。
例えばExcelの場合、「セルに入力」→「書式を設定する」→「ファイルを保存する」というような操作があるとします。一連の手順をマクロに記録することができます。マクロに記録しておけば、後で何回でも操作を実行することが可能になるのです。この例は単純すぎますが、もっと複雑で長い操作になればなるほど、マクロのメリットが出てきます。
マクロを利用すれば、操作ミスを減らしたり、操作に必要な時間を減らしたりすることが可能になるのです。
マクロを記録してみよう
では、実際にマクロを記録してみましょう。以下の例はWordを使用していますが、Excelでも基本的な操作方法は同じです。
【Word2010の場合】
1. Wordを起動する
2. 「表示」タブをクリックする
3. 「マクロ▼」ボタンをクリック、「マクロの記録」メニューを選択する
4. 「マクロの記録」ダイアログボックスで、マクロの名前を入力する
適当なマクロの名前を入力します。ここではデフォルトの「Macro1」のままでも構いません。
5. 「OK」ボタンをクリックする
ここでカーソルの形が変わりました。さて、なんでもいいので何か操作を行ってみましょう。例えば「Hello, World」と入力してみます。もちろん好きな文字を入力したり、他の操作をしてみてもOKです。コピーアンドペーストなど、ちょっと複雑な操作を行ってみてもいいでしょう。
6. 「マクロ▼」ボタンをクリックし、「記録終了」メニューを選択する
操作が終わったら、「記録終了」します。これで一つのマクロが記録されました。
マクロを実行してみよう
先ほど作成したマクロを実行してみましょう。
1. 「マクロ▼」ボタンをクリックし、「マクロの表示」メニューを選択する
2. 「マクロの記録」ダイアログボックスで、先ほど作成したマクロを選択する
3. マクロを実行する
マクロの実態はVBAプログラム
マクロについて、だいたいどのようなものであるかわかっていただけたと思います。このマクロの実態はなんなのでしょうか?中身を探ってみることにしましょう。
1. 「マクロ▼」ボタンをクリックし、「マクロの表示」メニューを選択する
2. 編集ボタンをクリックする
新しくウィンドウが立ち上がりました。そしてその中に何やら呪文のような文字列が並んでいます。この文字列こそが、VBAの文法で記述した「ソースコード」です。つまり、マクロの記録は、VBAのソースコードを記録することと同じ意味なのです。
ソースコードの内容は、行った操作によって全く違う内容になっていると思います。書かれている内容についてはまだよくわからなくて当然ですが、全く大丈夫です!ウィンドウを閉じましょう。
なぜVBAが必要なのか?
そもそも、なぜVBAが必要なのでしょうか?操作を自動化するだけなら、上で紹介したマクロだけで十分だと思われたかもしれません。その意見は全く正しいです!マクロだけでも、かなりの部分の操作を自動化して省力化することができるからです。
ですが、VBAを学ぶ意味は、VBAでないとできないことがあるからなのです。